【雇用激震】タクシー運転手「歩合給は残業代ではない」京都地裁タクシー会社に1億円支払い命令

「歩合給は残業代ではない」タクシー会社に1億500万円支払い命じる判決

 残業代が歩合給に含まれるのは不当として、洛東グループのタクシー運転手ら27人が会社側に未払い残業代など計約1億900万円を求めた訴訟の判決が9日、京都地裁であった。池田知子裁判長は「歩合給が時間外労働の割増賃金とは解釈できない」として会社側に計約1億500万円の支払いを命じた。

 原告は同グループの「洛東タクシー」と「ホテルハイヤー」(いずれも京都市山科区)の運転手や元運転手。両社の給料には売り上げに応じて変動する「基準外手当」といった歩合給が含まれる。運転手側は「歩合給は総労働時間の対価であって、特定の時間帯の対価とは認められない」として、未払いとなっている割増賃金の支払いを求めていた。一方、会社側は「基準外手当」に時間外労働などの賃金が含まれていると主張していた。

 判決理由で池田裁判長は、「基準外手当」が時間外労働の対価との記載は雇用契約書などに見当たらず、手当は売り上げに応じて算出されているのであって、割増賃金とはいえないと認定。また、会社側が労働時間に当たらないと主張していた長時間に及ぶ空車時の乗務については、労働時間に含まれるとの判断を示した。

 原告側の代理人弁護士は「タクシー会社は一般的にこうした賃金体系がとられていると思う。きちんと働いた分の給料をもらうことが慣行として広まってくれたら」と話した。

 「洛東タクシー」と「ホテルハイヤー」は「主張が認められず困惑している。今後の対応は代理人弁護士と協議する」とコメントした。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/691739

管理人の感想「タクシー業界だけでなく雇用と委託の整理をきちんと」

労働基準法は、所定時間と時間外労働、深夜労働、休日出勤等に関して定めた法律ですが、確かに歩合給については言及していません。

つまり「歩合給払うなら残業や深夜時間、休日出勤代を払わなくてよい」といっているわけではありません。

商習慣としてやっていたのですが、ずいぶん長いこと法の目から抜けてきた勤務実態なのだと思います。

本来であれば、歩合やフルコミッション制の成果報酬型の働き方は、どちらかといえば雇用の枠の中ではなく委託業務になるわけですが、そうなると雇用ではありませんので従業員という扱いではなく、個人事業主。社会保険はおろか、雇用保険も労災保険もありません。

それに加えタクシー会社の場合は国土交通省の『一般常用旅客許可証』の許認可が必要になりますし、車両に関する保険などにも影響してくる為、基本的には外部人材としての委託ではなく、正社員や契約社員などの従業員扱いでなければならないので、今から委託契約に切り替えることも難しいでしょうし、歩合率を下げ残業代を捻出するなどの調整が必要になるのではないかと思います。

今回の判決が重いのはタクシー業界だけの問題ではない

また、今回の判決が意味するのは、タクシー業界や運送業界に限った話ではなく、例えばマッサージや在宅介護など、接客対応している時間が労働時間で、半ば仏コミッションに近い雇用契約をしている業界にも大きな影響を与えるということです。

雇用契約であれば、残業代、深夜時間手当、休日出勤手当といった賃金としての明確化はさけられませんが、委託契約であれば、言うてしまえばギグワーカーやフリーランス同様、個人事業主扱いとなりますので、特に許認可が必要で雇用契約をする必要がある業種全体に大きな激震となるのではないかなと思います。

ひとつ気になるのは過去の判例

日本経済新聞

タクシー会社の国際自動車(東京)の運転手ら14人が、歩合給から残業代を差し引く賃金規則は無効だとして未払い賃金の支払いを…

歩合給から残業代差し引く賃金規則は「有効」 最高裁判決 (日本経済新聞 2017年2月28日 17:58)

タクシー会社の国際自動車(東京)の運転手ら14人が、歩合給から残業代を差し引く賃金規則は無効だとして未払い賃金の支払いを求めた訴訟の上告審判決が28日、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)であった。同小法廷は、賃金規則が無効とした二審・東京高裁判決を破棄し、規定は有効と判断した。

そのうえで、労働基準法の基準を満たす残業代が支払われているかどうかを判断するため審理を東京高裁に差し戻した。

同小法廷は判決理由で、国際自動車の賃金規則について「規則が労基法の趣旨に反して無効とはいえない」と判断した。

一方、「規則にもとづく賃金が、労基法が定める残業代の支払いといえるかどうかは問題になり得る」とも指摘。差し戻し審で残業代が適法に支払われていないと判断されれば、未払い賃金が生じることになる。

一、二審判決によると、この賃金規則は、時間外手当や深夜手当などが生じた場合、売り上げに応じて支払われる歩合給から同額を差し引いて支払うと定めていた。運転手側の代理人弁護士によると、同様の賃金規定はタクシー業界で広く用いられているとされる。

一審・東京地裁判決は「労基法が定める残業代の支払いを免れる賃金規則であり無効」と判断し、未払い賃金計約1460万円の支払いを命じ、国際自動車が敗訴した。二審判決も一審の結論を維持した。

国際自動車は「売り上げ増加のために過剰労働に陥りやすいタクシー運転手の健康や安全に配慮するのが目的だ」と主張。労働組合からの要望を踏まえた規則であり、有効だと訴えていた。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28H94_Y7A220C1CR8000/

というか、歩合から残業代を差し引いて、合法化するとかありなの??
なんか腑に落ちない・・・最高裁判決かなと。

みなさんはどう思われますか?

【広告】面接時に着用するだけで真実が伝えれれるTシャツ

広告
■その人生の悩み、人生相談のプロに相談してみない?