全国で熱中症搬送 1週間で1万2000人余 前の週の2倍に
最高気温が40度を超えるなど、危険な暑さが続いた16日までの1週間、熱中症の疑いで病院に運ばれた人は、全国で1万2000人余りに上ったことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。その前の週と比べ、およそ2倍に増えています。
総務省消防庁によりますと、今月10日から16日までの1週間に、熱中症の疑いで病院に搬送された人は、全国で合わせて1万2804人に上りました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200818/k10012572521000.html
その前の週の6664人と比べると、およそ2倍となっています。
症状の程度をみますと、
▽死亡した人は30人で、その前の週の10人と比べ、3倍となりました。
▽入院が必要な「重症」や「中等症」が合わせて5432人、
▽「軽症」が7189人でした。
年齢別では、
▽65歳以上の高齢者が7914人と、全体の6割余りを占めたほか、
▽18歳以上65歳未満が3987人、
▽7歳以上18歳未満が845人、
▽0歳から7歳未満が58人でした。
都道府県別でみますと、
▽東京都が1574人と最も多く、
次いで、
▽埼玉県が997人、
▽神奈川県が920人、
▽大阪府が898人などと、なっています。
日別では、
▽群馬県と埼玉県で、最高気温が40度を超えたところがあるなど、広い範囲で危険な暑さとなった11日、火曜日が2298人と最も多くなっています。
場所別では、
▽「住居」が6183人と最も多く、
▽歩道などを含む「道路」が2384人でした。
この期間は、東日本と西日本を中心に、連日のように危険な暑さとなりました。
17日も静岡県浜松市で41.1度を観測するなど、危険な暑さが続いており、引き続き、熱中症への厳重な警戒が必要です。
冷房の適切な使用や、こまめな水分補給といった対策と合わせて、人との距離を十分に保てれば、定期的にマスクを外すことなども心がけてください。
【熱中症死者 8割以上が「エアコン使わず」】
水中毒
連日の暑さで、熱中症の疑いで病院に搬送される人が急増し、亡くなる人も相次いでいます。熱中症予防の対策として、こまめな水分補給は大切です。しかし、同時に「水中毒」にも気をつける必要があります。
意識なくなったり呼吸困難に陥ったりして命の危険も
熱中症などに詳しい吉田勝明医師によりますと、「水中毒」とは水を飲みすぎることで引き起こされる体調不良のことです。
体のだるさや吐き気、めまいなどの症状が出て、ひどい場合には意識がなくなったり呼吸困難に陥ったりして命の危険にもつながるということです。
血液中には一定の塩分が必要ですが、汗をかくなどして体から水分や塩分が失われた後、一度に大量の水を飲むと血液の塩分濃度が下がります。
塩分に含まれるナトリウムは、体内の水分を適切な状態に調節したり神経や筋肉を正常に機能させたりする役割を担っているため、塩分濃度が下がりすぎると、「水中毒」の症状が出るおそれがあるということです。
吉田医師によりますと、学校などで運動したあとにのどが乾いて水道の水を一気に飲んで「水中毒」になることがあります。
また、夏場は汗をかくため血液中の塩分の濃度が下がりやすく、水を飲みすぎて「水中毒」になる危険性が高まるということです。
目安として1時間に1リットル程度まで
水を飲みすぎることによる「水中毒」の予防策として、吉田勝明医師は以下の注意点をあげています。
個人によって差がありますが、水を飲む量は、目安として1時間に1リットル程度までが望ましいとしています。
これは水分を尿として排せつできるのが1時間に1リットル程度と考えられるためです。
また、水分補給の際に望ましい飲み物については、屋外で汗をかいた時などは塩分が入ったスポーツドリンクなどがいいということです。
適当な飲み物がない場合は、梅干しなどを食べて塩分を補うのもおすすめだということです。
吉田医師は「水を飲むのがいけないということではなく、一度に大量に飲むと“水中毒”になるおそれがあることを知って気をつけてほしい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200818/k10012572341000.html
Twitterの反応
編集部より
みなさんも本当にお気を付けくださいね。
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